<物理光学(Physical Optics)計算の使用>シングルモードファイバ結合効率の計算はPhysical Optics Propagation(物理光学伝搬)を使用することで飛躍的に拡張できます。
結合は依然として重なり積分によっておこなわれますが、Physical Opticsには次の大きな利点があります。
・ 任意の複雑なモードが定義でき、計算がガウシアンモードに限定されない。
・ ファイバ結合の重なり積分は、受光ファイバモードがわかっていれば任意の面で計算できる。
これはファイバを表す面を含む(限定されるわけではない)。
・ ビーム伝播法やFDTD法を使った外部プログラムでファイバのモード構造(または統合された光学機器)の計算に使用でき、これを.zbf ファイル形式またはDLL インタフェースを使ってこの計算で使用するのに適当な複素振幅分布として表現できる。
・長距離伝播またはビームがアパーチュアで切り取られることに起因する回折効果が正確にモデルできる。
POP計算を設定するにはAnalysis > Physical Optics > Physical Optics Propagationをクリックし、次のオプションを選択します:
添付ファイル:
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添付ファイル:
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fiber15.gif [ 11.31 KiB | 表示回数: 1583 回 ]
これにより、ビームウエスト半径4.6 µのガウシアンモードを第一面から開始して、同一モードとの重なり積分が計算される像面まで伝播するように設定します。
[Beam Definition] タブでは256 x 256のサンプリングを選択し、Autoボタンでアレイの初期サイズを設定します。
[Physical Optics Propagation] ウインドウはファイバ結合効率をレポートします(下の図の赤枠内を参照)。
最適化オペランドPOPDは、全てのPhysical Opticsデータをメリットファンクション エディタを通じてレポートしますので、より有用な参考データとなります。
POPDオペランドに関する詳細はマニュアルの最適化の章をご参照ください。
POPDオペランドはPOP解析ウインドウで保存された設定を使用しますので、まだ設定を保存されていない場合は、今保存してください。
以下は像面での結合ビームの位相と、カプラの重要データです:
添付ファイル:
fiber16.gif [ 10.01 KiB | 表示回数: 1581 回 ]
POPD Data Description Value
0 Total Fiber Coupling 0.994
1 System Efficiency 0.998
2 Receiver Efficiency 0.996
10 Pilot Beam Waist 4.57 μm
23 Effective Beam Width 4.84 μm
26 M2 1.082
位相は注目すべき最も重要な性質で、それは放射照度プロファイルがほぼ完全なガウシアン(M^2 が 1.082)だからです。
受光モードの位相はどこでも正確にゼロなので、位相が直接ミスマッチの度合いを教えてくれます。
位相を表示するには、POPウィンドウの設定の[Display] タブをクリックします。
添付ファイル:
POP_settings.gif [ 10.56 KiB | 表示回数: 1573 回 ]
放物項と4次項を示している位相プロファイルの形にご注目ください。
これらはフォーカスと球面収差に等価です。
またレンズのエッジで位相プロファイルが切り取られていることにもご注目ください。
システム効率から、1%未満のエネルギーがレンズのサイズのために失われていることがわかります。
ファイバ結合効率を最適化すると、わずかに改善が見られます(ファイバ―レンズ間隔のみが変数であることにご注意ください)。
添付ファイル:
fiber17.gif [ 10.05 KiB | 表示回数: 1579 回 ]
POPD Data Description Value
0 Total Fiber Coupling 0.994
1 System Efficiency 0.999
2 Receiver Efficiency 0.996
10 Pilot Beam Waist 4.57 μm
23 Effective Beam Width 4.84 μm
26 M2 1.081
わずかなエネルギーの部分でしか位相エラーの大部分が起きていないため、ファイバ結合は大きくは改善されていません。
添付ファイル:
fiber18.gif [ 1.88 KiB | 表示回数: 1578 回 ]
{このプロットはPOPウインドウから放射照度のクロスセクションのクローンをつくり(Window > Clone)、クローンの設定で強度の代わりに位相を表示させ、次にWindow...Overlayで放射照度プロットにオーバレイして作成しました}
この時点でのファイルはafter POP.zmxとして保存してあります。
ここまでで、近軸ガウシアン、シングルモード、フルPOP計算の相違が少なく、解析がより複雑になるほど物理的な洞察が利用可能になりますが結果は類似していました。
しかしながらカプラが長くなると、回折効果がより重要となり、アプローチ方法の違いとPOP手法の優位性がより明らかとなってきます。
レンズとレンズの距離が20mmに設定されると、光線ベースのシングルモード結合計算はほぼ変化せず:FICLは結合効率0.99をレポートします。
これはこの空間での光線がほぼコリメートされていて、光線が常に直線的に伝播するからです。
しかしPOP計算は結合効率をほぼ半分の0.57を予測します。
これはガウシアンモードが回折し、二つのレンズ間の空間でそのサイズが変化するからです。
20 mm伝播後、ガウシアンモードは1/ e^ 2でのサイズが0.15 mmとなり、レンズサイズの0.12 mmと同程度になります。
結果として、この放射照度のオーバレイが第二レンズのアパーチュアの直前と直後でおきるため、かなりのエネルギー量が第二レンズのアパーチュアで回折されています。
ビームの位相プロファイルがこれを示しています。
受光ファイバにフォーカスするビームはガウシアンをかなり逸脱し、M^2は2.45となります。
添付ファイル:
fiber19.gif [ 1.98 KiB | 表示回数: 1576 回 ]
添付ファイル:
fiber20.gif [ 10.84 KiB | 表示回数: 1579 回 ]
これは光線で見られるのとは異なります。
レイアウト上でy-scale を拡張して観察できる光線の分布は次のようになります。
添付ファイル:
fiber21.gif [ 5.89 KiB | 表示回数: 1574 回 ]
添付ファイル:
fiber22.gif [ 9.21 KiB | 表示回数: 1576 回 ]
実際、球面収差によって光線は第1レンズより第二レンズ上のほうが小さくなることを示しています。
ほぼ平行ビームで長距離を伝播させるときは、POP計算のほうがより正確な光線追跡となります。
さらにPOPはカプラの厳密な最適化を可能にします。
ファイバ―レンズ間距離を(既に最適化済みなので)固定に設定し、20mmのレンズ間隔を変数として数サイクルの最適化を実行すると、最適なレンズ間隔として2.072 mmを得ます。
実験的に2mmが見出され、これらの値の差はわずかです。
ユニバーサルプロット(Universal Plot)を使い、2つのレンズ間隔の変化に対するファイバ結合効率の感度を観察することができます。
添付ファイル:
fiber25.gif [ 9.41 KiB | 表示回数: 1572 回 ]
同様に、光源ファイバモードから受光ファイバに伝播するとともに、レンズ-レンズ間隔変化によりビーム品質パラメータM^2を以下のように変化させます。
添付ファイル:
fiber26.gif [ 9.38 KiB | 表示回数: 1573 回 ]