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 記事の件名: ZEMAXブラックボックス面の使用方法
 投稿記事 Posted: 2010年2月05日(金) 10:56 
管理人

登録日時: 2008年8月01日(金) 16:43
記事: 136
はじめに

光学設計データを共有することは光学設計者および取引先企業にとって問題が生じる場合があります。

顧客、サプライヤ、外部のコンサルタントなど仕事を遂行する上で光線追跡が可能なデータファイルを必要とする場合がありますが、このデータを提供することは担当設計者の知的財産をさらけ出すことになります。Paraxial Surface(近軸面)およびABCDマトリックスなどの1次特性の方法では瞳のサイズおよび位置、または像の位置および倍率といったデータを提供するためには有効ですが、収差データを全く提供しないため後続またはその前の光学部品の設計には役に立ちません。

ゼルニケ面は一つの視野点、波長および共役の比率において収差データを定義することを可能にします。(詳細は「ゼルニケ係数を利用して“ブラックボックス”の光学系をモデリングする方法」をご参照ください。http://www.prolinx.co.jp/zemaxforum/viewtopic.php?f=32&t=588&p=1058#p1058)一方、ZEMAXのブラックボックス機能では、任意の視野点、波長および共役の条件でレンズデータエディタにオリジナルの面および設計データが実際に存在するのと全く同じように本物の光線を追跡するための全ての情報を含みます。詳細データはブラックボックス内に実は隠されており、ユーザーは隠されたブラックボックス部分に含まれるデータを全く閲覧することも変更することもできません。このデータは256ビット暗号化アルゴリズムを使って暗号化されています。

このトピックではブラックボックスレンズファイルの作成方法と使用方法を説明します。
添付ファイル:
teaser.gif
teaser.gif [ 14.43 KiB | 表示回数: 2530 回 ]


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 記事の件名: ブラックボックス面の作成
 投稿記事 Posted: 2010年2月05日(金) 10:58 
管理人

登録日時: 2008年8月01日(金) 16:43
記事: 136
ブラックボックス面の作成

設計をブラックボックスに変換するのは設計サイクルのいかなる段階においても行うことが可能ですが通常は設計が完了した後に実行します。エキスポートする面範囲の最初と最後にダミー面を計2つ追加することを推奨します。これらのダミー面は一般的に機械的データ(例えば光学素子をホールドする筺体などの範囲を表現するもの)または瞳位置に配置されます。

この例ではDouble-Gauss Objectiveの複数の最終面をエキスポートする予定です。ここで使用するサンプルファイルはこのトピックの最後でダウンロードできます。このファイルではレンズをホールドする筺体を表現するために2つのダミー面が追加されています。
添付ファイル:
before.gif
before.gif [ 14.4 KiB | 表示回数: 2526 回 ]


エキスポートする前に、エキスポートする予定の範囲にある全ての面に対し固定のアパーチャを設定する必要があります。なぜならレンズを再現する際にZEMAXはビネッティングを算出するために各レンズの物理的な大きさを知る必要があるからです。
Tools>Apertures>Convert Semi-Diameters to Circular aperturesは便利なツールです。ユーザー定義のアパーチャ(UDA)以外の全てのアパーチャタイプはエキスポート領域内の各レンズの物理的な大きさを定義するために使用することができます。

ブラックボックスファイルを作成するためには、Tools>Export Data>Export ZEMAX Black Box Dataを選択します。
添付ファイル:
during.gif
during.gif [ 6.71 KiB | 表示回数: 2531 回 ]


「Create and load test file」オプションにチェックを入れたままにすることをお勧めします。これによりZEMAXがブラックボックスファイルを作成するだけではなく、指定範囲の面を削除し、ブラックボックスを読み込み、ファイルを{original filename}_BB.zmxとして新しく保存してくれます。これはブラックボックスファイルが実際にエキスポートされたファイルを表現していることを容易に確認可能にし、さらに品質確認のステップとして重要です。作成された新しいファイルは自動的に読み込まれます。
添付ファイル:
after.gif
after.gif [ 13.28 KiB | 表示回数: 2526 回 ]


オリジナルの光線追跡結果とブラックボックスの光線追跡結果とで全く同じことが確認できます。


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 記事の件名: ブラックボックス面の使用による影響・制限
 投稿記事 Posted: 2010年2月05日(金) 11:02 
管理人

登録日時: 2008年8月01日(金) 16:43
記事: 136
ブラックボックス面の使用による影響・制限

「ブラックボックス」の性質に備わっている影響および制限がいくつかあります。明らかなものもあればそうでないものもあります。レンズデータエディタ内で相当する面範囲において光線追跡するのと全く同じように、面データを明かさずにブラックボックスの最初の面に光線が入射し後の面から出射します。このことからブラックボックス面の使用による影響・制限は以下の通りです。
 
• ブラックボックス内の全ての面データは隠されているため、解析機能、最適化オペランドまたはZPLによって隠されたデータにアクセスすることはできません。例えばブラックボックスファイルの公差解析や熱解析を行うことはできません。データはブラックボックスであり一度作成されたら変更を加えることはできません。ブラックボックスの外にある面はもちろん通常通りに解析、最適化、公差解析など行うことが可能です。

• 通常ZEMAXは、アパーチャにヒットする光線、クリップされた光線、完全内部反射する光線、光線と面の有効な交差位置が存在しないために面を外す光線を識別し、各ケースで異なるエラーコードを表示します。 ブラックボックスを光線追跡する場合、光線が入射したにも関わらず出射していないことしかZEMAXは認識できないため、「Ray Miss」エラーしか表示されません。主光線が追跡不可能な場合(例えば中央掩蔽部を有する望遠鏡のような場合)、主光線の参照データがないため波面計算はできません。

• ブラックボックス内のいかなる面においても光線データを生成することができないため、物体面、絞り面および像面はブラックボックス内に配置することはできません。ZEMAXはこれら3つの面上の全ての光線データに直接アクセスできることを必要とします。

• 出力光線データしか利用可能でないため物理光学的解析はブラックボックス光学素子では適切ではありません。FFTおよびHuygens PSF/MTF などは全て通常通り機能します。

• エキスポートされる面の範囲内にCoordinate Breaksおよび面のチルト・ディセンタを含むことは可能ですが、最初と最後の面は同じ座標系であり、入力平面と出力平面とは距離(Thickness)だけで分離されている必要があります。

• ブラックボックス面の厚み(Thickness)は、後続面の配置に必要なためレンズデータエディタ内で表示されますが、内部設計の詳細を開示するものではなく、単に入力および出力平面の距離を提供するだけのものです。厚みは変更することができないため、オリジナルのレンズと同じ「ミラー空間」にブラックボックスは再現される必要があります。よって、オリジナルの設計がミラーの後にある場合にはブラックボックスもそうである必要があります。


添付ファイル:
Black_Box_Example_File.ZAR [75.19 KiB]
ダウンロード回数: 80 回
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