本トピックでは、
虹のシミュレーション例 を紹介します。
このような色彩を伴うシミュレーションは、ZEMAXの2009年5月4日バージョンから可能になりました。
下図がそのシミュレーション結果です。
添付ファイル:
Rainbow.JPG [ 75.81 KiB | 表示回数: 1301 回 ]
下の明るい虹が「主虹」で上の薄い虹が「副虹」です。その間の暗い部分は「アレキサンダーの暗帯」と呼ばれるそうです。
副虹は暗く、赤から紫への色の並びが逆であることがわかります。
表示画角は、左右が±16°、上下が±9°です。
光源から射出させた光線は10億本で、シミュレーションに要した時間は4GHz の "Core 2 Quad" で40分でした。
下図は本シミュレーションの模式図で、光線の色は屈折・反射するごとに色分けして描いています。
添付ファイル:
layout.JPG [ 61.8 KiB | 表示回数: 1315 回 ]
左上から
平行光が入射しています(青線)。
丸く描かれているのが球形の水(雨滴)で、
内部に進入した光束は緑色で描かれています。
大部分の光線は赤色で描かれた通り雨滴をそのまま透過します。
しかし、雨滴の上部に進入した
光線の一部は雨滴後面でフレネル反射(反射率2%)し、茶色で描かれたように雨滴下部から射出します。これが主虹及びその下方の明るい領域を作ります。
また、雨滴下部に進入した
光線の一部は雨滴後面で2度反射し、赤紫で描かれたように雨滴上部から射出して副虹及びその上方の明るい領域を作ります。この反射は2度ともフレネル反射ですから、副虹のエネルギーは主虹の2%しかないことになります。
主虹と副虹の角度は火線が走っているので綺麗に色づきます。主虹の下と副虹の上からも反射光線がきますが、全色混じりあうので色づきません、主虹と副虹の間の角度からは反射光線がやってこないので暗帯となっています。
では、具体的な設定内容を紹介します。
まず、雨滴ですが、これは半径0.1mm の "Sphere Object" で定義し、媒質には Water を指定しています。
光源は、半径0.1mmの "Source Radial" を用い、その配光半角は
太陽の視半径と同じく0.25°です。そして、そのスペクトルは下図赤枠のように定義しています。
添付ファイル:
Source.png [ 34.2 KiB | 表示回数: 1315 回 ]
Source Color では黒体輻射を指定し、その温度は
太陽と同じく6000ケルビンです。
Spectrum は波長0.4ミクロンから0.7ミクロンの間で100波長指定しています。
検出器は、"Detector Color" で、視感度に合わせた実際の色を表示してくれます。
角度空間で見れば、無数の雨滴を人間が遠くから眺めた状態になります。従って無数の雨滴をモデル化する必要はありません。
虹を見るだけなら以上3つのObjectで足りますが、それでは
闇夜に虹が浮かんだ状態になるので、本例では背景に青空を加えました。青空は "Standard Surface" で定義し、その表面を緑枠で示したように
ガウシアン散乱面としました。下図はその詳細で、媒質は "Mirror" です。
添付ファイル:
Sky.png [ 32.87 KiB | 表示回数: 1313 回 ]
反射光を青く色づかせるために、赤枠で囲った通り"BREF" という名の
コーティングを定義しました。下図はその定義ファイルです。
添付ファイル:
coating.png [ 23.92 KiB | 表示回数: 1309 回 ]
上図のように定義すると、その分光反射率は下図のようになります。
添付ファイル:
BREF.JPG [ 84.69 KiB | 表示回数: 1313 回 ]
短波長の反射率が高いため反射光は青く色づくことになります。
なお、この分光反射率は空気の散乱の特性とは異なります。青空を模して適当に指定しただけです。
本例に使用したZEMAXファイルです。
添付ファイル:
rainbow.ZMX [29.19 KiB]
ダウンロード回数: 87 回
添付ファイル:
rainbow.SES [59.68 KiB]
ダウンロード回数: 76 回
光線追跡の際は、split と scatter にチェックを入れてください。
下のZARファイルをダウンロードし、ZEMAXファイルメニューの "Restore From Archive File" から開けば、必要なコーティングファイルも一緒に付いてきます。
添付ファイル:
rainbow.ZAR [120.48 KiB]
ダウンロード回数: 89 回