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作成者 メッセージ
 記事の件名: 追跡された光線が折り返しミラー面の後方まで到達しているのはなぜですか?
 投稿記事 Posted: 2009年1月26日(月) 14:13 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<はじめに>

以前に ZEMAX で折り返しミラーのモデルを作成した際に、光線が折り返しミラーの背後まで伝搬しているように見えるレイアウトが生成されたことに気がついた方がおられるかもしれません。
添付ファイル:
layout1.gif
layout1.gif [ 9.55 KiB | 表示回数: 651 回 ]


このトピックでは、この問題の一般的な原因とその修正方法について説明します。
以降の説明にあるように、このような問題を回避するためには、折り返しミラーのモデル作成における座標系変換を正しく理解することが不可欠です。


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 記事の件名: 追跡された光線が折り返しミラー面の後方まで到達しているのはなぜですか?②
 投稿記事 Posted: 2009年3月04日(水) 10:52 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<問題の分析>

このトピックの最後のページに添付されている ZEMAX ファイル (シーケンシャル) をダウンロードしてください。

 ファイル : Fold_Mirror_Start.ZMX

これは、90 度の折り返しミラーとレンズを備えた単純な無限共役システムです。

添付ファイル:
layout2.gif
layout2.gif [ 6.71 KiB | 表示回数: 588 回 ]


一見すると、このファイルは正しく設定されているように見えます。
しかし実際には、この折り返しミラーを詳しく調べると正しくないことが分かります。

添付ファイル:
layout1.gif
layout1.gif [ 9.55 KiB | 表示回数: 587 回 ]


光線は折り返しミラーの背後に到達しているように見えますが、このシステムの幾何学形状を考えると物理的にあり得ません。
それでは、なぜこのように光線が追跡されてしまうのでしょうか。

その答えは、折り返しミラーに付随する面が Lens Data Editor でどのように設定されているかという点にあります。
Lens Data Editor の [Thickness] 列を参照してください。

添付ファイル:
LDE1.gif
LDE1.gif [ 10.96 KiB | 表示回数: 585 回 ]


面 3 と面 4 の [Thickness] がゼロになっていることに気づくでしょう。
これは、次の面である面 5 が、面 3 と同じ場所にあることを意味します。

Lens Data Editor で面 5 に対応する列のどこかをクリックして、3D Layout を観察してください。

添付ファイル:
layout3.gif
layout3.gif [ 8.13 KiB | 表示回数: 589 回 ]


面 5 が折り返しミラーと同じ場所にあることが分かります。
2 つの面が同じ場所にあるのは、2 つの面の間には厚みの変化がないためです。
2 つの面の間の座標ブレーク (面 4) により、面 3 と面 5 は向きが異なります。
この座標ブレークにより、折り返しミラーを正確にモデル化するために必要な座標系変換が完了します。
したがって、面 5 の向きは正しいのですが、配置されている位置が正しくありません。
その結果として、ミラーの背後への光線の仮想伝搬となるのです。

では、これをどう修正すればよいのでしょうか。


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 記事の件名: 追跡された光線が折り返しミラー面の後方まで到達しているのはなぜですか?③
 投稿記事 Posted: 2009年3月04日(水) 11:29 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<問題の修正>

問題になっている面 5 は「ダミー」面であり、光学的特性はありません。
そのため、この面は単なるプレースホルダー面といえます。
この場合、面 5 の厚み値を面 4 に移動しても、光学的にはシステムには何の影響もありません。
ここで試してみましょう。

面 5 の [Thickness] の値を面 4 にコピーし、面 5 の [Thickness] にゼロを設定します。

添付ファイル:
LDE2.gif
LDE2.gif [ 14.52 KiB | 表示回数: 574 回 ]


[3D Layout] ウィンドウを更新し、縮小表示します。
システムは光学的には同等ですが、ダミー面が折り返しミラー面の位置の向こう側に移動されており、仮想の光線伝搬はもう存在していないことが分かります。

添付ファイル:
layout2.gif
layout2.gif [ 6.71 KiB | 表示回数: 576 回 ]

添付ファイル:
layout4.gif
layout4.gif [ 6.72 KiB | 表示回数: 574 回 ]


面 5 がダミー面であることから、これは純粋に表示上の問題といえます。
面 5 が元の位置にあっても、このシステムの光学性能が影響を受けることはありません。
よって、この問題を解決するための別の方法があります。

変更前のファイルを再度開きます。

 ファイル : Fold_Mirror_Start.ZMX

面 5 に関する [Surface Properties] ダイアログを開き、[Skip Rays To This Surface] チェック ボックスと [Do Not Draw This Surface] チェック ボックスをチェックします。

添付ファイル:
DoNotDraw.gif
DoNotDraw.gif [ 8.33 KiB | 表示回数: 572 回 ]


[3D Layout] を更新します。この方法でも問題は解決されます。
折り返しミラーの後方に光線が伝搬することはなくなり、折り返しミラーと同じ位置にあるダミー面は非表示になります。

添付ファイル:
layout5.gif
layout5.gif [ 7.74 KiB | 表示回数: 571 回 ]


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 記事の件名: 追跡された光線が折り返しミラー面の後方まで到達しているのはなぜですか?④
 投稿記事 Posted: 2009年3月04日(水) 11:35 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<Add Fold Mirror ツール>

以前のページで説明した問題は、光学系に折り返しミラーを手作業で追加した場合にのみ発生します。
自動的にこれを実行するツールが用意されているので、手作業での追加は必要ありません。

変更前のファイルを再度開きます。

 ファイル : Fold_Mirror_Start.ZMX

面 2 ~ 4 を削除します。
このシステムにはもうミラーがないので、ZEMAX の厚みに関する符号規約に応じて、全ての面の [Thickness] を正の値にする必要があります。
パラメータの符号を反転させる簡単な方法は、符号を反転させたいセルに「*-1」と入力することです。
以上の作業を実行した結果、Lens Data Editor は次のようになります。

添付ファイル:
LDE3.gif
LDE3.gif [ 8.55 KiB | 表示回数: 566 回 ]


[3D Layout] を更新します。システムに折り返しミラーがあった場合と同じように、光線は像面にフォーカスしていることが分かります。
つまり、元々折り返しミラーがなかった場合のシステムのモデルはこのようになります。

添付ファイル:
layout6.gif
layout6.gif [ 6.14 KiB | 表示回数: 564 回 ]


ここで、メニュー オプション [Tools] > [Coordinates] > [Add Fold Mirror] を選択し、Add Fold Mirror ツールを使用します。
[Fold Surface] に「2」 (ダミー面) を設定し、[OK] をクリックします。

添付ファイル:
AddFoldMirror.gif
AddFoldMirror.gif [ 5.17 KiB | 表示回数: 565 回 ]


ZEMAX によって全ての作業が行われたことに注目してください。
座標ブレークが設定され、折り返し面にはガラス タイプとして「MIRROR」が割り当てられます。
各面の厚みも、レイアウトが正確に描かれるよう正しく設定されていることが分かります。

添付ファイル:
layout7.gif
layout7.gif [ 6.75 KiB | 表示回数: 563 回 ]


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 記事の件名: 追跡された光線が折り返しミラー面の後方まで到達しているのはなぜですか?⑤
 投稿記事 Posted: 2009年3月04日(水) 11:38 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<まとめ>

ここではシーケンシャル モードで折り返しミラーをモデル化する際に生じる、よくある問題の症状と原因について説明しました。
この問題を修正する方法は複数あり、いずれも簡単に実行することができます。
これは純粋に表示上の問題ですが、修正することによって、誤解を生じることのない、よりプロフェッショナルな印象を与えるレイアウトになります。
この問題を解決する最善の方法は、最初からこれを回避することです。
Add Fold Mirror ツールを使用すると、折り返しミラーのモデル化に必要な全ての設定が自動的に行われ、このような問題も回避されます。


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