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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年1月26日(月) 16:29 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<はじめに>

シーケンシャル光線追跡の機能する方式により (光線が、ある面から次の面へ特定の順序で追跡される)、ダブルパス光学系のモデル化では、その光学系を合計 2 回モデル化する必要があります (各行路につき 1 回)。
位置やピックアップなどの各種ソルブ タイプは、ビームの帰還路に対して光学素子を適切にマッピングするために不可欠です。
特に公差化において、モデルの設定を慎重に行ってください。
ダブルパス光学系では、公差化の各事象は完全には独立していません。
つまり、第 1 行路においてエレメントを一定の角度で傾斜させると、そのエレメントは帰還路においても全く同様の物理的な傾斜を持つ必要があります。
そうでない場合、ZEMAX の公差分析の光線追跡は、事実とは異なる結果になります。
このような構造をモデル化し公差化するには、座標ブレークやピックアップ、ユーザー定義の公差を慎重に配置する必要があります。
ここでは、ダブルパスにおける単レンズ リレーを始めとして、このプロセスの基本的な側面をすべて説明します。


最後に編集したユーザー Prolinx高木 [ 2009年3月11日(水) 16:59 ], 累計 2 回

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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年3月11日(水) 17:09 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<ダブルパス設計>

まず、このトピックの最後のページに添付されている ZEMAX レンズ ファイルを開きます。

ファイル : Double Pass Tolerance Test File.ZMX

このファイルは Edmund Optics の在庫単レンズ (32981) からなります。
このレンズは、有限共役に配置され、「像」面はレンズ裏面の頂点から 50 mm の距離に置かれます。
像面の前に 1 つの面を挿入し、そのガラス タイプをミラーに変更します。
surface 1 と surface 2 を強調表示してレンズの 2 つ目のコピーを作成し、それを像面の直前に貼り付けます。
レンズの帰還路用の半径とガラスをピックアップします。
さらに、レンズの帰還路が最初のコピーの行路と重複するように厚みに位置ソルブを適用し、像面と物体 (OBJ) 点が同一位置になるようにします。

半径のピックアップ

添付ファイル:
radii%20pickup%20on%20surface%204.jpg
radii%20pickup%20on%20surface%204.jpg [ 15.96 KiB | 表示回数: 990 回 ]

添付ファイル:
radii%20pickup%20on%20surface%205.jpg
radii%20pickup%20on%20surface%205.jpg [ 16.07 KiB | 表示回数: 991 回 ]


surface 4 は surface 5 に先行しますが、実際には帰還路を伝搬する際のレンズ裏面を表しています。
そのため、surface 4 の曲率ピックアップ ソルブ には surface 2 を指定する必要があります。
surface 5 は、第 2 行路におけるレンズ正面を表します。
そのため、この曲率は surface 1 の曲率からピックアップします。
コメント列は、それぞれの面が表しているオブジェクトを把握する上で便利です。

厚み位置ソルブ
surface 3、surface 4、および surface 5 の厚み位置ソルブは以下のように設定してください。

添付ファイル:
thickness%20position%20solve%20on%20surface%203.jpg
thickness%20position%20solve%20on%20surface%203.jpg [ 14.8 KiB | 表示回数: 990 回 ]

添付ファイル:
thickness%20position%20solve%20on%20surface%204.jpg
thickness%20position%20solve%20on%20surface%204.jpg [ 14.73 KiB | 表示回数: 988 回 ]

添付ファイル:
thickness%20position%20solve%20on%20surface%205.jpg
thickness%20position%20solve%20on%20surface%205.jpg [ 14.76 KiB | 表示回数: 991 回 ]


ガラスのピックアップ
レンズのガラス タイプは両行路で同じものを指定するため、ガラス タイプのピックアップが必要です。

添付ファイル:
Glass%20pickup%20on%20surface%204.jpg
Glass%20pickup%20on%20surface%204.jpg [ 15.88 KiB | 表示回数: 990 回 ]


ソルブの追加後は、Lens Data Editor が以下のように表示されます。

添付ファイル:
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%201.jpg
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%201.jpg [ 47.67 KiB | 表示回数: 990 回 ]


光学系が正しく設定されている場合は、3D レイアウトにレンズが 1 つだけ表示されるはずです。
つまり、両レンズは完全に重なります。

添付ファイル:
3D%20Layout%20Step%201.jpg
3D%20Layout%20Step%201.jpg [ 26.39 KiB | 表示回数: 991 回 ]


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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年3月11日(水) 17:31 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<公差化設計の設定>

公差化では、レンズの傾斜と偏芯の影響について考察します。
通常、エレメントの揺乱の自動化には、TEDX、TEDY、TETX、TETY などの組み込みエレメント公差を使用できます。
ただし、ダブルパス光学系でこれらの効果を公差化するには、Lens Data Editor に変更を加える必要があります。
第 2 行路で定義したレンズが、第 1 行路で定義されているレンズと同じ物理的な成分を持っていることを認識する手段が ZEMAX にないためです。
そのため、傾斜と偏芯を表す座標ブレークは、Lens Data Editor に手動で入力する必要があります。
座標ブレークの各パラメータの公差化には、ユーザー定義の公差オペランドである TUDX、TUDY、TUTX、TUTY、および TUTZ を使用できます。
これらのオペランドの説明と使用方法の詳細については、このトピックで後述します。

ここでは、その必要性について説明します。
前述のとおり、ZEMAX には各行路のレンズが物理的には同じであることを知る手段がないため、各エレメントは組み込まれた偏芯または傾斜オペランドで個別に処理されます。
そのため、感度分析において第 1 行路のレンズに揺乱が生じても、帰還路には正しく反映されない可能性があり、帰還路で追跡された光線が傾斜していないレンズでも屈折してしまいます。
モンテ カルロ シミュレーションでは、両方のレンズ エレメントが異なる量で、あるいは正負を逆にして傾斜されることがあります。
その結果、モンテ カルロの各シミュレーションで報告される基準値は、そのエレメントの実際の物理的な揺乱を示さなくなります。
まず、各レンズの存在を座標ブレークでラップする必要があります。
レンズの前頂点はピボット軸にあると仮定します。つまり、あらゆる傾斜をこの場所で元に戻します。
第 2 行路のビボットは、この同じ場所で初期化する必要があります。
ダブルパス光学系で公差化を設定するには、座標ブレークの挿入と調整が必要です。
これは手動で設定するか、Tilt/Decenter ツールを利用します。
エレメントを傾斜および偏芯させる方法と、座標ブレークの影響の詳細については、「シーケンシャル光学部品を傾斜および偏芯させる方法」を参照してください。

• surface 1 および 2 を強調表示して、Tilt/Decenter Element ツールを選択します ([Tools] > [Coordinates] > [Tilt/Decenter Elements])。このツールを使用して座標ブレークを設定するだけなので、とりあえず傾斜値はゼロにしておきます。

添付ファイル:
Tilt%20Decenter%20Element%20tool%201.jpg
Tilt%20Decenter%20Element%20tool%201.jpg [ 23.82 KiB | 表示回数: 983 回 ]


この時点では、Lens Data Editor は以下のように表示されます。

添付ファイル:
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%202.jpg
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%202.jpg [ 63.25 KiB | 表示回数: 135 回 ]

添付ファイル:
LDE%20with%20pickups%20on%201%20set%20of%20cb.jpg
LDE%20with%20pickups%20on%201%20set%20of%20cb.jpg [ 52.92 KiB | 表示回数: 131 回 ]


レイアウトは変わっていません。

添付ファイル:
3D%20Layout%20Step%201.jpg
3D%20Layout%20Step%201.jpg [ 26.39 KiB | 表示回数: 986 回 ]


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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年3月11日(水) 17:48 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<帰還路の設定>

第 1 行路の座標ブレークは設定しました。
次は、帰還路におけるレンズの傾斜および偏芯をモデル化する座標ブレークについて説明します。
基本的な概念は変わりませんが、帰還路では全く同様の傾斜が維持されるため、ピックアップを追加する必要があります。
帰還路は、次の手順でモデル化します。
• ミラーの後ろにダミー面を追加します。この新しいダミー面 (surface 7) の厚みに位置ソルブを追加して、次の面 (最終的な座標ブレーク) を最初の座標ブレークの位置に置きます ([From Surf.]を「1」、[Length] を「0」に変更)。

添付ファイル:
position%20solve%20on%20surface%207.jpg
position%20solve%20on%20surface%207.jpg [ 15.29 KiB | 表示回数: 963 回 ]


• surface 7 (新しいダミー面) の [Surface Properties] ダイアログの [Draw] タブで、[Do Not Draw This Surface] をチェックします。

添付ファイル:
do%20not%20draw%20this%20surface.jpg
do%20not%20draw%20this%20surface.jpg [ 35.23 KiB | 表示回数: 968 回 ]


• surface 8 と 9 を強調表示し、Tilt/Decenter ツールを次の設定で使用します。

添付ファイル:
tilt%20decenter%20element%20tool%202.jpg
tilt%20decenter%20element%20tool%202.jpg [ 23.88 KiB | 表示回数: 967 回 ]


• surface 1 から取得するように、最初の座標ブレーク (surface 8) のパラメータを正のピックアップに設定します。
• 次の面がそのレンズの物理的な背面に置かれるように、新しい座標ブレーク (surface 8) に位置ソルブを追加します。

添付ファイル:
position%20solve%20on%20surface%208.jpg
position%20solve%20on%20surface%208.jpg [ 15.21 KiB | 表示回数: 965 回 ]


• surface 12 (ダミー面) を削除し、像面が物体 (OBJ) に置かれるように surface 11 の位置ソルブを変更します。

添付ファイル:
position%20solve%20on%20surface%2010.jpg
position%20solve%20on%20surface%2010.jpg [ 15.32 KiB | 表示回数: 963 回 ]


この時点では、Lens Data Editor は以下のように表示されます。
簡単なダブルパス光学系のモデル化に必要とされる、すべてのピックアップと位置ソルブを確認してください。

添付ファイル:
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%203.jpg
Lens%20Data%20Editor%20-%20step%203.jpg [ 75.31 KiB | 表示回数: 134 回 ]


複数の面を追加したにもかかわらず、レイアウトはページ 2 のものと変わりません。

添付ファイル:
3D%20Layout%20Step%203.jpg
3D%20Layout%20Step%203.jpg [ 26.36 KiB | 表示回数: 960 回 ]


これまでの設定に間違いがあったかどうかを確かめるには、どうすればよいでしょうか。
1 つの簡単なテストは、最初の座標ブレークのパラメータを変更してレンズを傾斜または偏芯させると、レイアウトの表示がどのように変わるかを定性的に測定することです。
まず、OBJ 面が「Global Coordinate Reference」として設定されていることを確認します。

添付ファイル:
global%20coordinate%20reference.jpg
global%20coordinate%20reference.jpg [ 41.55 KiB | 表示回数: 962 回 ]


次に、最初の座標ブレーク面の一部のパラメータを調整します。
入力する値の組み合わせにかかわらず、1 つの物理レンズのみが 3D レイアウトに表示されます。
そうでない場合は、帰還路が初期ビーム行路を正しくマッピングしていません。設定を再確認してください。

添付ファイル:
Tilt%20About%20X%20by%205.jpg
Tilt%20About%20X%20by%205.jpg [ 33.68 KiB | 表示回数: 962 回 ]


レイアウトのほかに、プレスクリプション データ レポートの [Global Vertex] オプションでも、レンズの正面と背面のグローバル位置が両方の行路で等しいかどうかを確認できます。

添付ファイル:
global%20vertex%20option.jpg
global%20vertex%20option.jpg [ 22.5 KiB | 表示回数: 960 回 ]


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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年3月11日(水) 17:55 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<TUXX オペランドの使用>

公差オペランドには TUDX、TUDY、TUTX、TUTY、TUTZ の 5 つがあり、ユーザー定義の傾斜や偏芯では、TEDX や TEDY よりも一般的に使用されています。
TEDX や TEDY との最大の違いは、公差において指定の偏芯や傾斜を達成する際に、必要な座標ブレーク面が自動挿入されない点にあります。
ユーザー定義の公差は、座標ブレーク面にのみ作用します。
これまでの各ページのように、設計者は、Lens Data Editor に座標ブレークを入力する必要があります。
TUXX オペランドは他の公差オペランドと同様、Tolerance Data Editor の [Type] 列に適切な名前を入力して挿入します。
ユーザー定義の公差を示すため、TDE に各 TUXX オペランドを入力してみてください。
座標ブレークが適切に作成されていることはすでに確認済みであるため、最初の座標ブレークのパラメータを操作するだけで、ピックアップや位置ソルブが光学系の他の部分を調整します。
各オペランドについて、[Surf] パラメータを「1」に変更します (最初の座標ブレーク面)。さらに、各オペランドの最小交差と最大公差を、それぞれ「-0.2」と「0.2」に変更します。

添付ファイル:
TDE%201st%20half.jpg
TDE%201st%20half.jpg [ 37.11 KiB | 表示回数: 139 回 ]

添付ファイル:
TDE%20right%20half.jpg
TDE%20right%20half.jpg [ 38.66 KiB | 表示回数: 134 回 ]


このデモを簡素化し、ユーザー定義の公差オペランドの動作にのみ集中するため、他のオペランドや補償子機能は定義しません。
RMS スポット サイズの公差解析が実行され、複数のモンテ カルロ ファイルが保存されます。
これにより、公差化されたレンズを期待どおりの位置に配置できます。
次の設定で、公差解析 ([Tools] > [Tolerancing] > [Tolerancing] を選択) を実行します。

添付ファイル:
Tolerancing%20Settings.jpg
Tolerancing%20Settings.jpg [ 42.51 KiB | 表示回数: 949 回 ]


[OK] をクリックします。
警告が表示されます。

添付ファイル:
warning%20message.jpg
warning%20message.jpg [ 12.22 KiB | 表示回数: 948 回 ]


このエラー メッセージは、Lens Data Editor. に 1 つまたは複数のソルブが検出されたことを警告するものです。
多くのソルブ (一部の曲率ソルブや光線の高さソルブなど) は、一般的に公差化には適していません。
たとえば、特定の面の半径に F 数ソルブを置くと、公差解析中の補償機能として動作し、特定の F 数制約に合わせて各揺乱の曲率半径が調整されます。
ピックアップや位置の各ソルブは有効な場合もあり、実際に特定の光学系では使用されています。
ソルブを置く場合、設計者は慎重に調査して、そのソルブがもたらす影響を考慮する必要があります。

ダブルパス光学系の正確な公差解析に作成済みのソルブが不可欠であることがわかっているため、このエラー メッセージは無視します。

保存されたモンテ カルロ ファイルをしばらく調べた後、選択されているレンズの傾斜値と偏芯値を確認します。
どんな値の組み合わせが選択されているとしても、各行路でレンズは同一である必要があります。

添付ファイル:
Lens%20Data%20Editor%20after%20tolerance.jpg
Lens%20Data%20Editor%20after%20tolerance.jpg [ 70.24 KiB | 表示回数: 134 回 ]

添付ファイル:
Layout%20After%20Tolerance.jpg
Layout%20After%20Tolerance.jpg [ 26.44 KiB | 表示回数: 947 回 ]


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 記事の件名: ダブルパス光学系を傾斜および偏芯させるにはどうすればよいですか?
 投稿記事 Posted: 2009年3月11日(水) 17:57 
管理人

登録日時: 2008年12月02日(火) 10:33
記事: 119
<まとめと参考資料>

シーケンシャルな ZEMAX でダブルパス光学系をモデリングする場合、第 2 行路でも物理的に同じレンズを模倣するために特定のソルブが必要となります。
また、公差化では、傾斜や偏芯を表す座標ブレークを手動で設定するため、TEXX オペランドは使用できなくなります。
第 1 行路で実行された傾斜がビームの第 2 行路に確実に受け継がれるようにするには、エレメントに組み込まれた傾斜や偏芯の公差オペランドのかわりに、ユーザー定義オペランド (TUDX、TUDY、TUTX、TUTY、TUTZ) を使用します。

このような光学系を公差化する前後には、ZEMAX モデルが具現化されているかどうかを確認してください。
第 2 行路の傾斜や偏芯が第 1 行路のものと異なると、公差化の結果が揺乱の正確な再現ではなくなります。

参考資料

ZEMAX Optical Design Program User's Guide (ZEMAX Development Corporation 作成)


添付ファイル:
Double Pass Tolerance Test File.ZMX [6.34 KiB]
ダウンロード回数: 135 回
Double Pass Tolerance Test File.SES [12.05 KiB]
ダウンロード回数: 131 回
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